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同じ江戸川区内に住む、ミックさんからの年賀状メールが来た。「今度の日曜日にフィールドに行くことにしました」とのこと。その日はちょうどカミさんと子供たちが出掛ける予定だが、車を使ってしまうのでせっかくのチャンスなのに身動きがとれずにいた。

ミックさんとは一昨年来、何度かフィールドを歩く約束をしていたのだか、なかなか都合が合わずにいたこともあり、ここぞとばかり調子よく、「それじゃぁ連れて行って下さい」と願い出たところ快諾いただいた。

ミックさんは毎年シーズンオフに、フィールドへのお礼の意味を込めて子供たちとトラップ回収をしているという。私も散策中に目に付いたものは回収することにしているが、わざわざ回収を目的にフィールドに向かったことはない。子供といっしょに冬のフィールドを歩きながらトラップを回収するというのは、なかなか良いアイデアではないだろうか。。。

 

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最初のポイントは林とも呼べないような小さな場所だが、結構有力な場所らしい。毎年沢山のトラップが残されているとのことだが、今年は残されていなかった。目的が「トラップの採集」だけに、ちょっと残念(笑) 先のポイントの道を挟んだ向かい側の斜面。スギ植林のヘリに広葉樹がわずかに残されているだけなのだが、まだ新しいシカの糞を発見した。シーズン中にはその姿もよく見かけるらしい。

 

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次のポイントへ。こちらはスギ植林の横の小径を数百メートル奥に入った場所なのだが、数年前まで人が住んでいたと思われる廃屋と、その前に日当たりの良い庭が残されていた。大きなクスノキやモミジ、ウメ、カキなど、いかにもに農家の庭先に似合いの樹木に混じって、センリョウがそこかしこで綺麗な実を成らせていた。

 

日陰には、ヒイラギの幼樹が芽生えていた。ここにまだ人が住んでいた頃には、こうして庭の隅から節分の飾りを調達したりしていたのかも知れない。

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その横で珍しい光景を目撃した。何の変哲もないシイタケ栽培と思いきや、使われている原木がシラカシのように思える。コナラやクヌギのホダ木しか知らなかったのでちょっとビックリ。千葉にはシラカシなどの照葉樹が多いので、こういった利用をすることもあるのだろうか???

 

路端で見つけたフユイチゴ。とても美味らしいが食さなかった。残念。
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次に向かったのが、道路沿いにある100×50m程のクヌギ林。それほど大きな林ではないが樹皮が荒れたものが多く、シーズンにはカブト・ノコ・ミヤマを求める採集者で賑わうと云う。標高200mと、千葉県では比較的標高の高い場所。

 

目的のパンスト(?)を見つけて採集に取り掛かるミックさん。

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おそらく30本以上のトラップを回収した。生えている樹の3本に1つは仕掛けられていたように思う。樹液が出ている樹が多いようだったが、トラップの効果はあったのだろうか???

 

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付近に公園があり、いろいろな樹木に名札が掛かっている。以前は気にも留めなかったが、最近では非常にありがたいと感じるようになった。

ふと青空を仰ぐと、見慣れない実が成っている。

 

と思ったら、この実はサポニンを多く含み、昔から石鹸として利用したり、羽根つきの球に使ったらしい。
050109_019.jpg (38837 バイト) ちなみに、左の写真は道路から見えたクヌギと思われる樹。畑の脇に数本残されていた。案外こういった樹に「あたり」が隠されていたりするのだと近づいてみると。。。なんとクヌギではなく、特有の実を付けたハンノキの仲間だった。はじめはヤシャブシだと思ったが、帰宅して調べたところ、冬芽の形や樹皮などから「ハンノキ」と判明した。

いずれにせよ、畑の脇にこういった樹が植えられている(残されている?)のには、何か目的があってのことだと思うが、私にはあまり馴染みのない風景だった。

カブクワ採集者が左の写真を見たら、誰もがクヌギと思うのでは!?

 

この後、車で走りながら雑木林を探すが、車道から見えるのは照葉樹林とスギなどの植林、それに竹林ばかりだった。急な山の斜面に見える落葉樹の多くは、イヌシデなどが多く、目的のクヌギがまとまった場所は見つけられなかった。

、と云うことで、その後も帰る道すがら車を何度も止めて、色々と楽しんだ。デジカメのメモリーを入れ忘れたために限られた枚数しか撮影できなかったが、とても楽しい一日だった。同じ3人の子を持ち、年齢も近いミックさんとは住んでいる場所も近く、カブクワ以外の話題でも会話が弾んだ。

ずっと運転をしていただき、フィールドを紹介してくれたミックさん、ありがとうございました。これからもお互い新規開拓し、シーズンに入ったらいっしょに採集に行きましょう!

 

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