2005/7/30(土)  曇り

カミさんの昔からの友人夫婦が、昨年那須に家を建てた。平日は千葉市内に住み、週末は那須に帰るという、なんとも羨ましい生活を送っているらしい。去年の夏休みにも1泊させてもらったが、広い敷地内に立派な自宅と雑木林。素晴らしい環境だ。
那須というと観光地の印象が強いが、少しの勇気とそれなりの?お金を出せばこんな生活の場が手に入るとは。。。うぅ〜ン、、、勇気は何とかなりそうだけど、もう一方がね!(^_^;)

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那須は、一昨年の7月(2003/7/11〜13)、KOMAちゃん・JfKさん・Pさんとカブクワ合宿をした楽しい想い出の場所だ(詳細は「武蔵野クワカブ探検隊(JfKさん)」「Pの兜・鍬形採集(Pさん)」の該当ページをご参照下さい)。
その際KOMAちゃんに紹介してもらった素晴らしい里山で、初日は思いっきり楽しむぞ!(^O^)/

那須ポイントA

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早朝自宅を出て、午前7時にはポイントに到着。家族はすぐさま雑木林の中に散らばっていった。
ここはボコボコのクヌギが多く、周辺の環境・標高・時期ともにミヤマを強く意識させられる場所なのだが、今日はどうだろう?

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まずはカブトのペアをゲット。期待していたよりも樹液の出が思わしくなく、昆虫たちの姿もまばらだ。地面がかなり踏み固められていることから、かなりの採集圧なのだろう。
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いつも厄介なスズメバチ。黄色と黒の縞模様を持つスズメバチには、おなじみのオオスズメバチ・キイロスズメバチの外に、コガタスズメバチ・モンスズメバチ・ヒメズスメバチがいるが、これはヒメスズメバチ。お尻の先端が黒色をしていることで他との区別は容易だ。
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美しいルリタテハも吸蜜?していた(上の左側写真の上にマウスポインタを載せると、どこにいるのかが明示されます)。タテハの仲間は羽を広げるとそれぞれに特徴的な美しさを見せてくれるが、翅を閉じて裏側を見せている時は樹皮と見分けがつかない地味な色合だ。昆虫図鑑の大半は翅を広げた標本写真を掲載しているため、野外で見かける(翅を閉じた)姿とは全く異なっていて見分けがつかない。一番頼りになるのが「蝶の図鑑」など、生態写真が多く掲載されたインターネットの専門サイトだろう。

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雑木林の直ぐ横にある田んぼで記念撮影。カキノキ、木造の農作業小屋、小川、丸太の橋、背景に広がる田んぼと雑木林。。。都会の者がイメージする「田舎」そのものの里山風景に心が和む。
あぜの草刈をしていた優しいオジさんに笠をお借りしての1枚も、子供たちには良い思いでになったようだ。
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その後もみつかるのはカブトとカナブン、スジ・コクワばかり。子供のリクエストに応えて大型ミヤマを捕まえるつもりだったのだが、見事に肩透かしを喰らった(-_-;) 先程のオジさんの話では、夏休みに入る前から、昆虫採集や山菜・キノコ採りの人たちが連日訪れているとのこと。この日も何名かと挨拶を交わすことになった。
それにしても、この時期、この場所、この広大な雑木林にしてはカブクワの姿が少なすぎる。もしかすると専門の採集業者なども入っているのかも知れない。

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少し足を伸ばすと、典型的な里山の風景が奥に奥に伸びている。少し足元にも注意を払ってみよう。。。
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田んぼからわずかに離れた乾いた草原に、らせん状に配列された可憐なピンクの花が群生している。都会の芝生でも時折見かけるラン科のネジバナ(もじずり)だが、やはり里山の風景が良く似合う。
野山で先の尖ったネコの尻尾のような花の房を見つけることがある。これらには「○○トラノオ」と云う名が付いていることが多いが、その花序の形状から同じように呼びなされているだけで必ずしも近縁の種ではない。
これはオカトラノオ。日当たりの良い林縁でよく見かける美しい花だ。
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田んぼ脇の湿ったあぜ道に咲くノカンゾウ。オレンジの花色が一面の稲の中にあって目に鮮やかだ。見た通りにユリの仲間だが、花は1日で枯れてしまうと云うから残念。そうそう、今年の春先に、このノカンゾウの新芽を「ぬた(酢味噌和え)」にして食べる機会があったのだが、実に美味い!見て好し食べて好し、なんとも贅沢な野草のひとつだ。
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こちらはヌマトラノオ。先のオカトラノオにも似ているが、より湿った場所に生え、花穂は垂れない。 林縁のクリには、小さな実が生り始めている
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あぜ道には数え切れないほどのクモ。個体数も種類も実にたくさんだ。左はイナゴを捕まえたナガコガネグモ、右ははっきりしないが、コガネグモの仲間の幼体のように思える。。。
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流線型の最新鋭戦闘機のようなフォルムを持つスズメガの中でもひときわシャープな印象の「コスズメ」 樹液に大柄なジャノメチョウの仲間。1枚撮影後そっと近づくがすぐに逃げられてしまった。調べてみると、どうやら各地で絶滅危惧とされているオオヒカゲのようだ。
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これはカミキリムシの産卵痕。幹を一周している。樹皮が齧られて赤茶くなった中心に穴が穿ってあるのが見えるが、そこに卵が産みつけられている。齧り跡からはしばしば樹液が滲み出て、カナブンなどが寄っているのを見かける。 偶然見つけたミヤマは、樹液から離れたササの幹にしがみ付いていた。オスもどこかにいるはずだが、ついに発見は適わず。。。もちろん、相当な数の幹に無常のライダーキックを浴びせつけたことは云うまでもない(^_^;)
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樹に咲く花の少ないこの季節、白い花を咲かせているいるのはリョウブ。新芽は飢饉の際の救荒食食とされたそうだ。またその幹は樹皮が薄く剥がれ、滑らかで美しいことから床柱などにも利用される。
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。。。。。楽しそうだなぁ〜。たまには昼間の虫捕りにも付き合ってやらないとなぁ。。。

那須 友人宅付近

その後友人宅へ。広い敷地に立派な建物。暖炉(薪ストーブ?)やキッチンの調理器具など調度品にもこだわりが感じられる素晴らしい住居だ。ホントはもっと賞賛すべき部分があるのだろうが、素敵な家具・調度の名前や価値を良く知らないため十分に紹介できない。。。無念。里山の動植物の名前の方がまだがわかる。。。かも?(^_^;)
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この写真に写っている南向き緩斜面の雑木林すべてが彼の所有地だ。コナラとクヌギが半々、その他にもハリギリ・ヤマモミジなどが生えているが、残念ながらメクレクヌギはない(^_^;) 
この夏何度か下草刈りをしたと云うだけあって林床は明るく歩きやすい。倉庫にあるチェーンソーや回転式草刈り機などを、一度体験させてもらいたいものだ。。。
楽しい流しそうめんの昼食をご馳走になり、子供らは早速遊びに興じる。ちょっとだけ抜け出して周囲を散策してみよう!
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ハチの仲間のように見えるが、全くの別種。これはヤマトシリアゲ。長い口吻を持つ肉食の生き物だ。 小さな青い実をつけているのはズミ。標高の高い比較的湿った場所で良く見かけるリンゴの仲間で、春先には白く美しい花に彩られる。
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ヤマブドウが花を咲かせていた。秋の早い時期から美しく紅葉し、紫黒色に完熟した液果は甘酸っぱくて最高の美味になる。 葉の光沢などからガクアジサイと思われる樹の両性花。自然分布からは外れるため、おそらく植栽されたものだろう。変異が大きく、園芸品種のアジサイもこのガクアジサイの改良によって作られたものだと云う。
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イロハモミジの果実。カエデ(モミジ)の仲間は、みなこのように翼のある種をつけて、より遠くまで子孫を残そうとしている。 薬草として名高いゲンノショウコ。下痢に対する効果は顕著だ。薬効が速やかに現れることから「現の証拠」と名付けられたと云う。
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一回りして戻ってくると、勝手に遊んでいた子供らが自力で樹液コナラとそこにつくカブトを見つけていた。なんとも頼もしい子供たちではないか!本気でちょっと、見直してしまった(^_^;)
でもそうだよなぁ、俺たちが子供の頃は、誰に教わるでもなく虫を捕まえていた。。。要は虫の住まう環境さえあれば、パパなんていらないんだよなぁ。。。寂し〜(^^ゞ
夕刻、天候が一転しものすごい暴風雨に。かなり近くで落雷しているようだ。雨粒は窓を割らんばかりに叩きつけ、周囲の樹々は折れんばかりにうねっていた。林全体が力強く脈打つひとつの生き物のようにうごめいている。オフィスや自宅マンションでやり過す風雨とは比較のしようがない。自然の畏しさを肝に叩き込まれたと云った感だ。
何より子供は正直。普段カミナリなんかに動じないやんちゃな次男坊が、今回ばかりは真剣な表情で「カミナリさまはホントにヘソを狙うの?」ってママに尋ねていたんだから (^o^)

翌日へ続く ⇒

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