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春の里山の色を言い表すことはとても難しい。萌黄・若草・黄緑・薄桃・・・なんと美しい景色かと、言葉を失うばかりである。少しだけ寄り道して、その彩をお楽しみ下さい。
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閑話休題 |
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さて、これが主役のクヌギの芽生え。クヌギは芽吹きとほぼ同時に花を咲かせる。花といっても花弁のない花穂を垂らせるだけなのだが、赤褐色に色づくその彩りは、淡い萌黄色の芽吹きを持つコナラとあいまって、えも云われぬ美しさだ。(撮影の関係で少し赤みが強く表現されています) |
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葉が展開してくるにつれ、黄緑色の印象が強くなる。花穂の褐色とのバランスが絶妙。 |
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長く垂れているのが雄花。どんぐりを生らす雌花は新葉の脇にほんの小さくつくらしい。 |
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画面手前からコナラ・クヌギ・ヤマボウシ(街路樹などで良く見掛けるハナミズキの仲間。5月ごろ白い花を咲かせる)
春の里山にはこんなにも異なる芽吹きの色がモザイクのように散らばり、優しげな色合いを醸し出している。 |
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中央のコナラを挟んでクヌギが見える。「枝ぶり」「芽出しの色」と両者の違いがとてもよくわかる。 |
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春の里山は暖かな日差しによって水蒸気があがり、ぼんやりと霞がかることが多い。いくつもの色を滲ませて、より一層淡い色合いが引き立つ。 |
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田起こしされ、水が張られた谷津田を見下ろすように、斜面にはクヌギが並んでいる。いつまでもこんな風景が残されることを願わずにはいられない。 |
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さて、遠景をひとつ。画面中央右寄りに、頭のぬけ出た樹冠が見える。実際の目には少し褐色がかったまばらな樹と写る |
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こうして意識してみると、樹々はそれぞれに特徴のある樹形と色を持っていることがわかる。かなり遠方でも色彩の違いだけでクヌギと見分けがつく季節、一月後に迫ったクワガタシーズンに向けて芽吹きの頃の下見はかかせない。(写真では色が滲んで判別しにくいが、左上部にもクヌギがあるのがおわかりだろうか?) |
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ずいぶんと長らくお付き合いいただきましたが、これで樹液酒場のホスト、クヌギの見分け方については終わりです。
随分と能書きが多いと感じたかも知れませんが、もし野生のカブトやクワガタが樹液に群がる姿を、自分たち家族の力で見たいと本気で願うとしたら、きっとこのノウハウが生かされる瞬間があると信じています。
バーチャルな体験はここまでです。ここから先は、実際に雑木林に行って、ご自身の目でお確かめ下さい。それが一番の近道です。
どうか頑張って、幸運を祈ります。 |
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