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【陽樹とは?陰樹とは?】
小さな種子から芽生えたばかりのまだ幼い命が、太陽の燦燦とした光を浴びてすくすくと生長してゆく・・・多くの人がイメージするこの幼樹の生長には、実はちょっとした誤解があります。
もちろん植物にとって明るい太陽の光が不可欠なことに違いはありません。ただ、全ての植物が同じように多くの光を得られている訳ではないのです。
自動車に例えるなら、大馬力で素晴らしい速さを誇るけれど燃費の良くないスポーツカーがある一方で、非力だけれど少しの燃料で沢山走ることのできるエコカーがあるのと同じように、植物にも燃費の良い木と悪い木があります。
ご存知のように植物は自分が生きて行くためのエネルギーを、光合成によって自ら作り出していますので、燃料はすなわち「光」になります。
生物にとって、生きて行くことは常に他者との競争に打ち勝つと云うことです。
燃費の悪い植物は、多少の乾燥などはものともせず、より多くの光を浴びて素早く生長することで光を独占し、少しでも優位に立とうとします。
一方燃費の良い植物は弱々しい光の中でも着実に命を永らえ、(まさに!)いつか日の目を見る日を夢見て虎視眈々とチャンスをうかがっています。林の中は水分も栄養分も豊富なのですから、光が弱いと云う点を除けば案外住み心地が良いのかも知れません。
このように、芽生えから生長する過程において多くの光を求める燃費の良くない木を総称して「陽樹」と呼び、耐陰性のある(=日陰でも生長できる)燃費の良い木々を「陰樹」と呼んでいます。
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