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【もうひとつの誤解
−光合成と呼吸−】
一般に
「植物は二酸化炭素(と水)を吸収し、それらを材料に光のエネルギーを使って糖を作り、酸素を出す(=光合成)」
「動物は酸素を吸って植物の作った糖を分解し、生きるためのエネルギーを得て、二酸化炭素を吐き出す(=呼吸)」
と云われます。
でも、ここにも小さな誤解があるかも知れません。植物だって動物と同じようにちゃんと「呼吸」しているのです。植物は、自分が生きて消費(=呼吸)するためのエネルギー源を自ら作る(=光合成)と云う、自給自足の生活をしています。酸素と二酸化炭素だけに注目するならば、植物は光合成によって酸素を生み出しながら、同時に動物と同じように酸素を消費しているわけで、過剰に生産された分の酸素を外界に放出しているのです。
自分が呼吸する量と同じだけの光合成を行っている時、光合成で作り出す酸素と同じ量の酸素を呼吸で消費するために見かけ上は酸素も二酸化炭素も出入りしていないように見えます。この、植物が生きて行くために必要な最低限の光の量を、命を補償するという意味で「補償点」と呼んでいます。、
ですから十分な光合成を行えない条件、例えば補償点以下の光量が続いたり気温が低いなどの環境では、植物も自分が生きて生長するためのエネルギーを作り出すことができず、過去に蓄えた糖分を消費し、酸素を吸って二酸化炭素を排出する生活をするようになり、やがては枯死することになります。
先にお話した「燃費の良し悪し」は、自分が生きてゆくために必要なエネルギーを作り出すために、多くの光を必要とするのか少しの光で事足りるのか、と云うことになるのです。
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