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生態からみた雑木林 陽樹とは?陰樹とは? 光合成と呼吸 広葉樹?針葉樹? 落葉樹?常緑樹?
 
 
【広葉樹?針葉樹?】

広葉樹と針葉樹については、それほど多くを語る必要はないかもしれませんね。読んで字のごとく、マツなどのように針のように尖った葉を持つものが針葉樹、広い葉を持つものが広葉樹。概ねそんなところでしょうか。。。と、安心しているといつでも例外はあるものです。皆さんが良く知っているイチョウ、あれ実は針葉樹のひとつのようです。葉を走る葉脈(葉っぱの模様)が網目状になっているものが広葉樹で、平行になっているのが針葉樹ということでしょうか。

ところで、この葉の形にも植物の戦略が込められているのだと云ったら驚かれるでしょうか?

葉には「光合成」と云う大切な役割の他に、「蒸散」と云うこれまた極めて大切な役割があります。植物は根から水分や養分を吸収していますよね。あれはもちろん勝手に上がっているわけではありません。(⇒有名な毛細管現象や、浸透圧と云う作用によって「勝手に」上がっている面もあるでしょうが、ここでは省略します)

蒸散によって葉から水分を蒸発させ、ちょうどストローで水を吸い上げるようにその力を利用して吸い上げているのだと云われています。
葉の面積が広いと云う事は、覆いかぶさることで光を独占し、より多くの光合成を行えるというメリットがある反面、それだけ蒸散の量も多く、貴重な水分が失われる危険性も高いと云うことになります。

広葉樹・針葉樹の例からは少し離れますが、砂漠の乾燥に耐えるサボテンは、葉からの蒸散を極力抑えるために葉をトゲに変化させ、光合成の役割を幹が代替できるように葉緑体を幹に持ったのだといわれています。このように葉の形は、利用できる水分の量に対する適応のひとつだと考えることが出来るわけです。

また、針のような葉は円柱形の葉の表裏全ての面で光合成を行うことができ、しかも互いに影を作りにくいので、木全体で多くの光を利用できることになり、必ずしも広葉樹に比べて不利であるとは限りません。

針のような葉を持つことは、より過酷な条件に耐えるための巧みな戦術なのかも知れませんね。
 
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